インタビューは、東京・表参道沿いにあるフィールドマネージメントのオフィスで実施。1970年代に建てられたという、壁一面をガラスブロックで覆われたレトロモダンな外観が印象的なオフィスには、日中を通して陽光が降り注ぎ、明るく解放的な空間となっている。
インタビューは、東京・表参道沿いにあるフィールドマネージメントのオフィスで実施。1970年代に建てられたという、壁一面をガラスブロックで覆われたレトロモダンな外観が印象的なオフィスには、日中を通して陽光が降り注ぎ、明るく解放的な空間となっている。

やりたいと思ってれば、叶うんです
で、人に言いまくる

Plan・Do・See(以下PDS) 並木さんの経歴を紐解くと、コンサルタントをベースに、ご自身がお好きだという野球やサッカーなどのスポーツビジネスを次々と手がけられていますが、好きなことを仕事にするっていうのは、みんなやりたいけどなかなかできないですよね。並木さんは、もともと好きだったスポーツ業界にビジネスマンになってから携わり、そこから新しい価値を生み出し続けていらっしゃいます。今日はそういうお話を軸に、チームとか人とか働くっていうところをうかがえたらと思ってます。

並木裕太(以下並木) なるほど。何ですかね。これは自分がラッキーだからそうなのか、みんなもそうなのかよくわからないんですけど、わりとやりたいと思ってれば、叶うんですよね。で、人に言いまくる。

PDS あらゆるところで?

並木 スポーツ関係の仕事をしてみたいと思ったとき、そういう関係の人にそう言っとくと「そういえばそんな奴いたな」みたいに思い出してくれるんです。言霊が広がってくような。さらに自分にも言い聞かせとくと、具体的な動きもし始める。例えば僕が野球ビジネスをやるきっかけは、アメリカ留学中に送ったinfo@rakuten宛てのメールなんです。

PDS 記事で拝読しました。

並木 2004年、プロ野球の球団経営に堀江(貴史)さんが参入しようとして叶わず、三木谷(浩史)さんが参入したときですね。話を美しく書くとinfo@rakutenにって話なんですけど、実は12球団全部にメールしました。

PDS そうなんですか!

並木 それでうまくビジネスにつながったのが東北楽天ゴールデンイーグルスなんです。同じころ、JリーグもJ1の全18チームにメールしてて、名古屋グランパスエイトから返事をもらいました。そこから留学中にイーグルスとの仕事をたくさんして、マッキンゼー(・アンド・カンパニー)に戻ってからも細々とご縁は続いたんですが、当時イーグルスの売上は高々数十億円ですから、マッキンゼーのフィーを払えるほどの規模の会社じゃないんです。それで2009年に独立しようかなと思ったときの大きなきっかけのひとつは、グランパスから電話がかかってきたことなんです。

PDS お仕事の相談ですか?

並木 そうです。「マッキンゼーに払えるほどの予算はないんだけど、並木さん個人だったら頼めるのかなあ」みたいな感じでした。じゃあ独立してイーグルスとグランパスやってみるかって、フィールドマネージメントを立ち上げたんです。思えばマッキンゼーの1、2年目ごろは、先輩や後輩とマッキンゼーでどうやってスポーツの仕事できんのかなって、よくファミレスで深夜から明け方までぐずぐずしゃべってたんですが、そのご縁がつながっていたみたいです。

PDS そもそもスポーツビジネスに対する意欲というか、やってみたいのは、どこから始まってるんですか?

並木 もともとアメリカで過ごした中高校生時代にメジャーリーグを身近に感じていて、野球選手になりたいなって思ってました。ただ、それが叶わないと気づいたとき、スポーツがあまり好きじゃなくなってしまったんです。

PDS そうは言っても、心のどこかにはあって?

並木 ありましたね。

PDS 深夜のファミレスでふっと出ちゃうような。

並木 出ましたね。特に当時の外資コンサルや外資金融には東大の野球部とか、慶應のサッカー部とかの出身者がけっこう多かったんで。ブラック企業とは言いませんけど、眠らないで仕事しろって感じの会社だったんですよ、当時は。体力のある奴を採用するような。

PDS 体育会系の人たちは、やりきれちゃうからですね。

並木 そう。例えば大手自動車会社でワイパーのゴムのコストカットの仕事をしても、燃えられない。マッキンゼーにおいては大事な仕事のひとつですけどね。でも好きなことだったらもっと燃えられるじゃないですか。頑張ってるといいこともあるし、周りの人たちもワクワクする。だから本業じゃなくても、求め続けるとつながっていくとは思うんです。

PDS でもそこに、全球団にメールを送るという行動力がなかったらたぶん、返ってこなかっただろうなあって思います。

並木 みんな送ってるんじゃないですかね。いま湘南ベルマーレとかかわってますけど、いろんな人からメールが来るみたいですよ。最近スポーツマネジメントやスポーツビジネスって流行ってるから、就職したい人が増えたと思いますね。ただ、驚きの給与水準だから、みんなそこで1回挫折するんですけど。

PDS 安いってことですか?

並木 例えばPlan・Do・Seeに勤めている人が浦和レッズに転職したら、給料半分くらいになるんですよ。それでだいたいの人はうろたえて、スタジアムで観ていようと思い直す。

PDS ファンのままでいようってなっちゃうんですね。

並木 そう。ただアメリカ留学中に、スペイン人の同級生が「ゴールドマン・サックス証券とレアル・マドリードの両方から内定もらったけどどっちに行こうか迷ってる」って言うんですよ。僕が「ゴールドマン行ったら100円もらえるけどレアルでは50円しかもらえない。ただレアルのほうが楽しそうだと思って迷ってるんでしょ?」って聞いたら「いや違う。両方100円もらえるよ」って言うんです。ヨーロッパのサッカーのトップチームはべらぼうに儲かってるんで、エリートをちゃんとした給料で迎えられるんです。もちろんアメリカのメジャースポーツもそうです。

PDS 日本と全然違うんですね。

並木 だから日本のスポーツ業界も変わらないといけない。何かを犠牲にして頑張る人しか集まらないようになっちゃうと正しく成長しない。才能ある人が好きなことやって活躍すれば報われる、ほかの社会的オプションと比べても同等かそれ以上の状況をつくらなくてはいけないと、そのころ思ったんです。なのでフィールドマネージメントでは、コンサルタントをやりながら浦和レッズやJリーグ、パ・リーグのビジネスにもかかわれて、ちゃんと前職を超えるくらいの給料を担保できるようにしています。

PDS 日本のスポーツビジネスを変えているんですね。

並木 そんな感じでやってたら、ベルマーレもJ1で強くなり、それを見ててくれたJリーグが理事に選んでくれて、リーグ改革を一緒にやれるようになりました。Jリーグでは、ほかの産業でも活躍できるような優秀な人たちが入れるように産業自体を大きく育てなくてはいけないし、そのためにはもっと大きなチームをつくんなきゃいけない。

現在はJリーグの理事を務めているため直接的に経営には携われないものの、以前は役員として経営に参画していた湘南ベルマーレの2014年当時のジャージー。胸のコーポレートロゴが誇らしげだ。
現在はJリーグの理事を務めているため直接的に経営には携われないものの、以前は役員として経営に参画していた湘南ベルマーレの2014年当時のジャージー。胸のコーポレートロゴが誇らしげだ。

自分が好きで楽しいなと思えることに
向こう10年間の時間を使ってく

PDS 違う業界でやってた人がスポーツビジネスに入るとき、どうやってモチベーションを保ってあげてるんですか?

並木 例えばコンサルタントだった人が、急に浦和レッズに行く場合。サッカー選手は専門職ですけど、スポンサーへの営業は、普通に営業に強い人だったらできますよね。コンサートのチケットいっぱい売ってきた人なら、サッカーのチケットもたぶんいっぱい売れます。チームのビジネス側って、オーソドックスなビジネスマンのスキルで成り立つんです。だからいろんな職種の人たちが普通にかかわれると思います。商社マンが入ったら急にいっぱいスポンサーが増えるかもしれないし、Plan・Do・Seeの社員がスタジアムでイベントを組み始めたら、それに毎回何百人もが集まるようになるかもしれない。わりといろんな人が活躍できる現場だと思いますよ。

PDS もともとそのチームが好きな人とかではなくて、そのスキルをもってる人のほうがいいんですか?

並木 もう1歩先にはそれがあるような気がしますね。最初はレッズ大好きだからやる人を選びますけど、だんだん興味なくても実力があればいいというふうに変わってくんじゃないですかね。ただ、スポーツが嫌いな人はダメですね。Plan・Do・Seeも結婚式が嫌いな人は雇いたくないじゃないですか。

PDS はい、もちろんです。

並木 ただ、小学生の将来なりたい職業ランキングで、最近キャバ嬢もランクインしてましたね、上位に。

PDS ユーチューバーとかもですね。

並木 そう。昔は野球選手とかサッカー選手とか。そこにスポーツ経営者とかが17位くらいに入っててくれるといいなあ。スポーツマネジメントって、そのくらい面白い職種だと思いますけどね。ウェディングの仕事もかかわるとすごい素敵な仕事ですよね。

PDS そうですね。

並木 本当に好きな人と好きなだけ好きなことをしてれば楽しいはずなんです。自分の好きなことに素直でいる時間を増やすためにはどうしたらいいか考えれば、その会社のなかにあればそれでいいし、なかったら自分がもってる能力を使ってそれをするにはどうしたらいいか考えてみるのは面白いかもしれない。

PDS なければ自分でつくり出すっていう感じなんですね。自分の能力とかスキルとかから。

並木 僕は、マッキンゼーにはいろんな会社が見られるっていうから入社したんですけど、結局僕がやりたい洋服やスポーツ、音楽の産業ってコンサルを雇う会社があんまりないんですよ。スポーツ業界は特に儲かってないし、洋服屋さんも大きいところが少ない。あとは同期がみんなベンチャーを始めてたり、ベンチャー投資ファンドに行ったりしてたのも大きいですね。自分でそれら全部を体験できる場所をつくってみたいと思って、マッキンゼーを辞めて独立したわけですが、そうやって小さな規模ではあるんですけど、やりたかったことをいろいろできるようになってきて。「さてどうしようか」と考えた9年目がそろそろ終わりそうで。

PDS 終わりそうで?

並木 この9月から10年目なんですけど。そうすると、このインタビューでそう聞かれるかどうかはさておき、「今後の10年は?」とか聞かれるわけですよ。

PDS そこは聞きたいです。

並木 それで自分なりに悩むわけですよね。好きなことに素直でいてここに至るわけなんですけど、「それ以外に何があんのかな?」「どんな答えをこのインタビュアーさんは期待してるんだろう?」、もしかしたら「AIやビッグデータ、ヘルスケア、ウェアラブルですごい会社つくって、上場して時価総額1兆円です」みたいなのを期待してるのかって思ったり。『Forbes』のインタビューとかだとそういうの答えなきゃいけないのかなって思ってたんです。

PDS このインタビューはもっと気楽に答えていただいていいですよ(笑)。

並木 2年前から僕がつくった洋服をロンハーマンで売ってるんですけど、いまはそのビジネスがすごく楽しいんです。最近は住宅にも興味が出てきて、自分の家をとあるセレクトショップに相談して内装をああだこうだやってたら、その担当者が「住宅事業やるとしたらフィールドマネージメントと一緒にやりたい」って言ってくれてるんです。もちろん、それがヤフーやソフトバンク、楽天のようにはならないんですが、自分が好きで楽しいなと思えることに向こう10年間の時間を使ってくというのは、ちゃんと答えらえる気がしています。

PDS めちゃくちゃ素敵なこれからの10年だと思います。

並木 あとは「コンサルしながら事業もちゃんとやってるんです」っていう会社から、「事業をちゃんとやっていて、そのノウハウをちゃんとコンサルというかたちで還元できるんです」と、主語を変えてみるのも面白いのかなあと思ってます。コンサルも好きでやってますけど、ほかにも好きなことがあるから、好きなことに主にスポットライトを当ててく10年間でもいいのかなあって。休みの日に、ふとカリフォルニア・コンテンポラリーハウジングとかの写真集見ちゃうわけですよ。あの時間が仕事になったら幸せじゃないですか。

PDS 幸せですね。

並木 そういう自分の好きなことに正直でいられるような時間を過ごせたらいいなあと。ただ、これは書き方に気をつけないと、なんか贅沢な奴だなあ、になるんで。

PDS そんなことないです。憧れの生活だけど、でもちゃんと自分ができることを棚卸しないとできないですよね。「得意な分野は何か?」とか。

並木 そうですね。ただラッキーだったのは、コンサルって在庫もいらないし、仲間たちと一緒に始められるので、自分の会社をつくりやすいジャンルではありましたよね。例えば飲食なら、物件借りて、冷蔵庫買って、あれこれやって、食べログ契約して、とかやんなきゃいけない。それよりは独立しやすかったのかなあとは思いますね。

PDS そうして独立されて、新しいコンサルのかたちを次々と生み出されているんですね。

並木 小さなゲリラな会社から始まって、いまは中くらいのゲリラな会社になりましたけど、依然としてゲリラで。

PDS 中くらいのゲリラ!?

並木 だからこのやり方を大手コンサル会社に気にしてもらうにはもうちょっと規模が必要なので、コンサル事業も伸ばしていきたいです。ただ伸ばし方が、大手にいられなくなったはみ出し者たちのいる場所じゃなくて、大手にいるよりも自分のやりたいことがたくさんできるから転職してくれるメンバーたちと一緒に、規模を拡大しながら、ゲリラがムーブメントになってくといいなと思ってます。

並木さんが少年時代を過ごしたカリフォルニア州LA近郊、レドンドビーチを本拠とする「レドンドビーチ・ペリカンズ」という架空の野球チームをつくり、そのユニフォームやTシャツなどのオリジナルコレクションを、ロンハーマンで限定販売している。同店では完売商品も多い人気ブランドになっているという。
並木さんが少年時代を過ごしたカリフォルニア州LA近郊、レドンドビーチを本拠とする「レドンドビーチ・ペリカンズ」という架空の野球チームをつくり、そのユニフォームやTシャツなどのオリジナルコレクションを、ロンハーマンで限定販売している。同店では完売商品も多い人気ブランドになっているという。

自信があって、早く試したい、チャレンジしたい
いつか起業したいとか思ってるなら、うちのほうがいい

PDS そうやって自分の好きなことを実現していくときに、一緒に働くメンバーはどうやって集めるんですか?

並木 僕がマッキンゼーを辞めたのが2009年なんですけど、当時、後輩にはすごく人気があったんですよ(笑)。

PDS そうだと思います!

並木 2007年のマッキンゼーの新卒入社の社員のうち、半分くらいがうちに来てくれたんです。同時にじゃないですよ、パラパラと。それで、先輩も後輩もちょこちょこ来てくれました。そこから紹介会社に優秀な人材を紹介してもらったり。そのうちだんだん会社のキャラも立ってきて、最大手の外資コンサルに入ってみたけど、音楽や洋服の仕事がしたいとか、事業を自分でつくってみたいとか、スポーツの仕事をしてみたいっていう人たちが、ここ2、3年は来てくれるようになりましたね。特にここ最近は、優秀な人材を紹介会社を介することなく直接採用できるようになってきました。

PDS すごい人気ぶりですね!

並木 フィールドマネージメントという会社の取り組みが面白いからって、大手から転職してきてくれるようになってきたのはうれしいですね。

PDS コンサル会社で服とかつくってる会社ないですからね。ところで採用の際、面接は並木さんがされるんですか?

並木 最後は僕なんですけど、実は面接が苦手で。

PDS どうしてですか?

並木 9年前には存在しなかった会社に興味をもってくれて入りたいと思ってくれる人、みんないいいやつに見えちゃうんですよ。だから誰も落とせない。

PDS なるほど。では迷うことはないんですか?

並木 あります。「この人いい人だけど、うちに来て幸せなのかな?」って。

PDS 「うちに来て幸せ?」っていう観点なんですね。でもフィールドマネージメントに入って幸せな思考の人って、どんな人なんですか?

並木 所属してる組織のブランドで安心する人は、大きい会社のほうがいいですよね。うちの場合、チャレンジしたい、自分がどのくらいできるのか早く知りたい人が向いてるんじゃないですかね。外資コンサルって、新卒で入ると営業活動始めるのが、長いと10年後とかなので。

PDS へえ。そうなんですか。

並木 最初は、分析、分析、分析。それでチームの管理職になって、そこからパートナーに上がっていくところで初めてクライアント獲得に動き始めるという感じなんですね。うちの場合は新卒の23歳が「読売巨人軍口説いてきました」も全然アリ。やりたかったら自分でとってくればいいじゃんという。自信があって、早く試したい、チャレンジしたい、いつか起業したいとか思ってるなら、うちのほうがいいんじゃないですかね。

PDS ところで、環境を変えるってけっこう勇気がいることですけど、並木さんが留学や起業などで環境を変えたタイミングはどうやって選ばれたんですか?

並木 留学は、疲れちゃったんですよ、マッキンゼーで3年間やって。そもそも22歳のときも、コンサルタントとして3年も働くと、1年3〜4社だとしても少なくとも10社は見られるから、25歳まで頑張ればきっと自分のやりたいことが見つかると思ってマッキンゼーに入ったんです。当時想像してたのは、トヨタとソニーとJALをやってくと、「あ、飛行機好きかも」とか思うのかなあって。コンサルしてみたいとかじゃなくて、キッザニアの延長版のような。

PDS 職業体験的な?

並木 そう。ところがやってみるとこれがかなりの激務で、必死にこなしているうちに、いつの間にか3年経っちゃってました。こりゃまずいと思い、まだやりたいことを選べないから、推薦状書いてもらってビジネススクールに留学したのが25歳のときですね。

PDS やりたいことが選べなかったのは、どうしてなんでしょう?

並木 全体感が見えてなかったですね。というのは、例えばトヨタ車が都心の独身富裕層に、ホンダや日産と比べてどのくらい売れているのか調べろって言われて調べるじゃないですか。だけど、何でその分析をしなきゃいけないのか、誰がそれを知りたいのか、それを知ってどうしたいのかとかが見えないまま仕事をしてたんで、「何でお前は円グラフを書くんだ、棒グラフじゃなくて」とか言われてしまうんです。ただ必死でこなしてたから、やれることもやれてない日々でしたね。当然会社の評価もとても低かった。だから環境を変えるしかなかったんです。

PDS 留学して変わったことは?

並木 留学している間にイーグルス創業の様子を見ていて、マッキンゼー的な論理的思考以外にも優秀さがあることがわかったんです。イーグルスの創業メンバーって、三木谷さんの友人や買収してきたIT企業の社長さんたちが部長や役員、社長だったんですね。彼らって特にロジカルなわけじゃないんですよ。じゃんけん10回やったら7回は勝ちそうな人や、AかBか正しいほうはわかんないけど、迷って3週間過ごすよりAだけやればいいじゃん、みたいな人たち。それで1月はコンクリート打ちっぱなしの殺風景だった球場を、3月にはプロ野球スペックに整えて開幕させたんです。彼らを見ていると、先ほどのトヨタとホンダと日産で0.1%違うことを究明するために3カ月過ごすよりも、クルマをたくさん売るためにはもっと大事なことがあるって気づいたんです。そもそもカッコよけりゃいいって話かもしれないし、誰々が乗ってるでいいかもしれない。そうやって留学中の2年間、彼ら楽天の元起業家と過ごしてから、マッキンゼーに戻ったんです。そしたら、最初の3年間は通信簿を気にしすぎた劣等生だったのが、通信簿がまったく気にならなくなってたんですよね。

PDS 2年間の、その方々とのかかわりのなかで?

並木 そうです。例えば、クライアントが担当する事業の携帯音楽プレーヤーがiPodより売れればいいなら、棒グラフか円グラフかにはこだわんなくていいし、究極この人はこのオーディオ事業部で何をすると出世するのかを考えたら、携帯音楽プレーヤーが売れなくても出世するようにすればいいんでしょってなる。そう考え始めるとその人も「並木くん、ちょっと面白いね。次のプロジェクトも頼むよ。あっちも頼むよ」とかになっていく。そうするとさっき言った全体感が見えてくるんです。この人は出世したくて、出世したい理由はこれで、そうするとこのプロジェクトは携帯音楽プレーヤーの話だけど実はそれにこだわんなくていい、とかが見えてくる。そしたら仕事がどんどん増えてくるんです。それがマッキンゼーの後半でしたね。結局すんごい調子いいまま辞めたんですよ。

自著も多い並木さん。オフィス内にはいままでに出版したさまざまな書籍が並べられている。写真はメディア『WIRED』とのコラボレーションにより2014年に刊行された『THE STARTUP ACADEMY ぼくらの新・国富論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。「すべての企業にはベンチャー精神が必要だ」と説く、次世代ビジネスマン・起業家に向けたスタートアップの教科書だ。
自著も多い並木さん。オフィス内にはいままでに出版したさまざまな書籍が並べられている。写真はメディア『WIRED』とのコラボレーションにより2014年に刊行された『THE STARTUP ACADEMY ぼくらの新・国富論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。「すべての企業にはベンチャー精神が必要だ」と説く、次世代ビジネスマン・起業家に向けたスタートアップの教科書だ。

この人と一緒に仕事したいなあと思う人と
仕事できる時間が増えてきている

PDS そしてフィールドマネージメントを立ち上げたんですね。

並木 当時は調子にも乗ってたし自信もあったから、「もっとこういうふうなコンサルをしたほうがいいんだ」っていうのをナイーブにいろいろ語ってましたね。特に日本人ってコンサル嫌いな人たちが多いんで、コンサルが変わったら、もっと多くの人たちに受け入れられるようになるって。日本でいいじゃんって思われるコンサルって、もしかしたら欧米でも受けるかもしれないとか思ってたんですね。

PDS 具体的にはどう変えたかったんですか?

並木 契約は1プロジェクトあたりの契約じゃなくて、いつもずっと一緒にいるような長い契約を結ぶべきだとか。あとは自信があるんだったら、弁護士みたいに時間給でお金をもらうんじゃなくて、出来高でもいいじゃないかとか。こんだけクライアントの商品が余分に売れるようになったからいくらちょうだい、という。メンバーも、最近はベンチャーだと30歳くらいで上場会社の社長になったりしますよね。だから若者のコンサルタントにベンチャー経営をさせて、経営やったことあるしロジカルもいける、みたいな人材をたくさん育成すべきだ、なんて感じですね。

PDS そのベースが、「やりたいことをやる」なんですね。

並木 そう。でも例えばPlan・Do・Seeでとても優秀だったら、私やりますって自分で飲食店やって、ダメだったら関連会社に戻れたりするじゃないですか。

PDS はい。ていうか戻ってこれますね。

並木 ですよね。だから、実は起業ってそんなにリスクなくて。チャレンジはできるはずなんです。貯金が多少減るかもしれないし、出世もその3年間分遅くなるのかもしれないけど。だって50歳になったときの30円は大したことないけど、25歳のときの30円は大したことあるじゃないですか。だから、どっちにしてもその30円の差なのかって思えば、チャレンジできるはずなんです。

PDS なるほど。面白いなあ。あと並木さんって、先輩や後輩はもちろん、経営者から好かれていることからもわかりますが、さっきの話で「インタビュアーはどういう答えを求めてるのかなあ」とか、どうしたらもっと喜んでもらえるか、みたいな視点をすごくおもちだなあって。

並木 それを自己分析をしますと、小中学校時代に何度も転校したんですよ。転校するたびに人気者にならなきゃいけないじゃないですか。

PDS ならないといけないんですか?(笑)

並木 だけど学校によって人気者の基準が違うんですよ。話が面白い人なのか、そうじゃないのか。それを早めに察知してそれになんなきゃいけないっていう鍛錬をしていました。

PDS しかも、外国での生活もたくさん経験されてらっしゃいますよね。

並木 そう。カリフォルニアの小学校と西中野の小学校とか、マジで価値観違うんで(笑)。でも快適に過ごすためには、こうすればいいみたいなのを見つけなきゃいけなくて。

PDS 原体験はそこなんですね。そこで何が求められてて、自分はどうあったらいいのかという。

並木 それが好きなジャンルで好きな人だったら、よりもっと頑張れますよね。例えば学校のマドンナが桐谷美玲だったらすごい頑張れますよね、その人の基準とかを理解して。

PDS 桐谷美玲! なるほど(笑)。

並木 いまの会社も、9年やってきて幸せなのは、この人と一緒に仕事したいなあと思う人と仕事できる時間が増えてきていることですね。かつ、どんどん攻めなくてもよくなってきて、ゆっくりその人のペースに合わせて時が来るのを待つ、みたいな仕事の付き合い方もできるようになってきました。それが心地いいですね。

PDS 心地いいんですね、羨ましいです。

並木 そう。ゆるやかになってきました。

PDS それってまさに、並木さんがおっしゃる“ステップゼロ”という存在が、より体現されてきた話かもしれないですね。

並木 確かに。

PDS 御社のミッションブックレット、全部読ませていただきました。イラストも素敵で楽しくて、すごく引き込まれました。ドクター・ドレーも聴いちゃいました。

並木 ああ、ウェブですね。でも実物見ると結構感動しますよ。

PDS 本当ですか? ぜひ実物見てみたいです。あの仕立てがすごい素敵だなと思いましたし、読んでいるうちに涙が出そうになって。「夢を大きく見なさい」っていう引用文のところとかも。

並木 泣いちゃいますか、うれしいですね!

文中で話題になっているミッションブックレットの実物を見せてくれた並木さん。並木さんの半生を時系列に沿って綴りながら、その体験から得た6つのミッションとしてまとめたビジュアルブックレットだ。全部開くと幅4mにもなるという蛇腹状のつくりやユニークなイラストが特徴で、“ステップゼロ”として支えたい経営者に渡すスペシャルツールとして活用しているそうだ。
文中で話題になっているミッションブックレットの実物を見せてくれた並木さん。並木さんの半生を時系列に沿って綴りながら、その体験から得た6つのミッションとしてまとめたビジュアルブックレットだ。全部開くと幅4mにもなるという蛇腹状のつくりやユニークなイラストが特徴で、“ステップゼロ”として支えたい経営者に渡すスペシャルツールとして活用しているそうだ。

その人の未来も左右するような
仕組みにしてあげれば、成功する

PDS ブックレットの序章、コンサルティングから“ステップゼロ”へのパートで、“ステップゼロ”の考え方にさせてくれた経営者の方って、どこの会社の方なんですか?

並木 大手電機メーカーです。当時、A(現会長)さんとBさんという2人の副社長がいて、結果的にはAさんが社長になるんですが、当時の我々はBさんが社長になるとふんでて、Bさんにコンサルタントを30人くらい付けていたんです。ところが、次期社長がAさんになりそうになると、おもむろにAさんのところに30人が行くわけです。とはいえAさんもまともな人なんで、「急には信頼できないな」と。

PDS そりゃそうですよね。

並木 マッキンゼーのミッションって、グローバルリーディングカンパニーのプライマリーカウンセラーでいること。簡単に言うと、でかい会社をお客さんにすることなんです。そうすると次の社長に誰がなるかで右往左往しなきゃいけない。だから“ステップゼロ”は、対象を企業じゃなくて人にしようっていう話です。そのころBさんに言われたんですね。彼が新しいことを始めるときに「社内で得意な人を探すのがステップ1。社外から得意な人をとってくるのがステップ2。しょうがないからコンサルタントを雇うのがステップ3」だって。だったら1よりもその人に近い存在である“ステップゼロ”になりたいっていう話なんです。

PDS それがきっかけなんですね。いまではそういう関係がどんどん増えて心地よくなっているって、すごく羨ましいです。

並木 9年間、信じてやってきたことが身を結んでいる実感はありますね。

PDS あとボストン・レッドソックスや楽天イーグルスとかのケースを例に、新しいことをするときの本質的な資産の見つめ方について、どんな組織があったから成功したのかの共通点はありますか?

並木 “顧客ずらし”の話ですか?

PDS そうです。

並木 こんなご時世、新規事業をみんなやりたいじゃないですか。儲かるやつ。

PDS そうですね。しかも成功したい。

並木 失敗しがちなやつって、自分たちが何で食ってきた会社とかあんまり意識せず、流行りに乗っかろうとするパターン。ビッグデータでウェアラブルで、的な。あれうまくいかないんです。それって飛び地を2つしてて、お客さんも自分たちのお客さんじゃなくて、使ってる能力も違う。だからうまくいかないんですね。同じお客さんに対して違うものを提供するか、違うお客さんに対して同じスキルを提供するか、だと成功の確率はすごく上がるんで、そうしましょうっていう話です。それを雑誌っぽくすると、“顧客ずらし”という表現になる。

PDS とても興味深いです。

並木 Plan・Do・Seeが、ずっと思い出に残るようなイベントをつくることが得意だとしたら、それを活用して結婚式以外のタイミングでお客さんにイベントを提供するパターンか、結婚するタイミングでほかのことをしてあげるかと言ってるだけなんですよ。レッドソックスは、彼らはチケット売るのとスポンサー営業するのが得意で、大勢の人数を同じ場所に集めて無事に帰すのが得意な会社なんですね。だけど野球つながりでキャップとかバットとかを売り始めると、スポーツ用品店にバットを卸すだけなんで一瞬やれそうな気がするけど、製造業をやって在庫管理して卸しをする、しかもレッドソックファンとビジネスするんじゃなくて小売店と取引するっていう商売の仕方をこれまでやってないんで、実はうまくいかない。逆に「ボストンエリアでコンサートをするアーティストがいたらうちに任せてください」だと意外にすんなりできたりする。インディーズのバンドが全然チケット売れないっていっても、レッドソックスに頼むと完売する、というようなことです。平たく言うと、どっちかをずらせばいいっていう。

PDS へえ。でも往々にして自分たちの得意なことに気づいてないことが多いじゃないですか。

並木 そうなんですよ。だからそこを、「自分の会社が得意なことって何だろう?」を見つめ直してみんなで分解してくといいと思います。

PDS そういうときは一緒に入って?

並木 もちろん一緒にやりますけど、社内でできると思いますよ。「自分たちが絶対に負けないことって何だろう?」を議論して、みんなでポストイットに書いてベタベタ貼っていく。「確かにこれだったら同業他社に負けないね」みたいなのが見えてくると、「この能力ってほかに何に使えるんだろう?」って考えれば答えが出てきたりする。

PDS そういうとき、どういう人をそのチームのリーダーにすればいいんですか?

並木 言い出しっぺがいいんじゃないですかね。好きだっていう、そのパワーを使ってほしいですね。言い出しっぺのほうが、そうじゃない人よりも逃げないし。ただ、サラリーマンのままやると、「失敗したって給料変わんないし」がどっかで出てくるし、所詮他人のお金だから丁寧に考えない。やっぱりその人の未来も左右するような仕組みにしてあげれば、成功するんじゃないですかね。

PDS その仕組みまで一緒につくってあげるんですか?

並木 つくりますよ。その会社の人事制度にもよりますけど「外でやったほうがいいんじゃないですか?」とか。一旦会社を辞めてもらって、会社が80%出資して、彼が自分の預金から20%資本金を出してスタートする。例えば資本金1,000万だとして、200万だったら頑張れば出せるじゃないですか。事業スタートするのに3億必要だったとしたら、3億は会社が貸し付けてあげて。ただちゃんと200万出してねって。失敗したらそれはなくなるって話をして。ストックオプションでもいいんですが、そうするとやっぱり本気になりますよね。

PDS 確かに本気になりますね。

並木 一方で、仮に事業がうまくいって会社が大儲けしたとしても、机が隣の島に移動しただけで給料もさして上がらず、係長のままっていうのだと。

PDS よくあるパターンですね。

並木 損してもうまくいっても自分は何も得しないっていうのを抱えながら仕事することになると思うんで、そこは何か工夫したいですよね。

PDS やりたい人をキーマンに置いてそこまで巻き込んで、自分ごとにしてやらせてみるっていうことですよね。それでもやっぱり難しい局面とかもあると思うんですけど、最終的に成功まで導くためには、何が大切なんでしょうか?

並木 やっぱり最後、叩いてもバカにされてもアホと言われても「俺が言い出したんだからやる」みたいなパワーがあることがいちばん大事な気がするなあ。あとはけっこう放っといてあげたほうがいいと思うんですよね。

PDS 放任主義ですか?

並木 細かく見ない。数字は見るけど、何でダメなのかは自分で考えてっていうスタイルのほうがいいんじゃないですか。でも常に何かやりたいなと思わせるような仕組みが会社にあるといいんじゃないですか。例えば年に1回の社員集会で発表だと、たぶん直前の2週間くらいしか考えないんですけど、いつでも提案できるようにすると、街歩きながら「あれ、あのサラダ屋さんアプリで注文できたほうが早いんじゃない?」とか、そんなふうに考えるようになると思うんで。

PDS 実際にフィールドマネージメントにはあるんですか? あるっていうか、もう普通にそういう風土なのか。

並木 仕組みにすると、みんな業務としてやり始めるんです。月1の社員みんなで集まる会で、誰かが発表するのはちょこちょこやってます。順番とか決めずに。思いついちゃったら3カ月連続同じ人でもいい。

PDS そういう会があるんだ。それが深夜のファミレス的な発散になってくんですね。やりたいことをやろうと。

インタビューが行われたオフィス奥に位置する社長室は、白を基調としたソファや照明など、並木さんお気に入りのアメリカ西海岸スタイルの内装をベースにしたシンプル&クリーンな設え。室内には友人のアーティストによるアートピースや以前一緒に仕事をしたショーン・ステューシーのサイン入りサーフボードなどが飾られ、まさに並木さんワールド全開。
インタビューが行われたオフィス奥に位置する社長室は、白を基調としたソファや照明など、並木さんお気に入りのアメリカ西海岸スタイルの内装をベースにしたシンプル&クリーンな設え。室内には友人のアーティストによるアートピースや以前一緒に仕事をしたショーン・ステューシーのサイン入りサーフボードなどが飾られ、まさに並木さんワールド全開。

フィールドマネージメントって、いい乗り物だなあって

並木 そう。例えばPlan・Do・Seeには、結婚する前に痩せるプログラムとか合いそうですけどね。

PDS ああ。よりきれいにってことですね。

並木 考えないんですか?

PDS ないですね。いまはそういうの。

並木 だいたい結婚式のどのくらい前にみなさん来るんですか?

PDS 予約の時点では1年前とかにいらっしゃいますね。

並木 ああ、そうするとバッキバキにできますよね。人生のピークを1年でつくる、とか。

PDS すごい超キャッチー。いいかも。

並木 そのまま週1くらいで通ってくれたら関係も続くし。ほかのサービスもできそう。

PDS エステ、1年で美しくなるとか本当に面白そう。例えばさっきのチケット販売とかと同じで、お日にちや時間帯が決まっている結婚式をお客さまに選んでいただくことは、結婚式のビジネスを扱っている私たちの強みです。なので、そのノウハウが生かされれば、何か新しいことができるのかな。

並木 ゴルフ場の経営とかも上手だと思いますよ、たぶん。「梅雨の時期の平日、どうやって埋めるんだ?」という問題も、「わたしたち、仏滅の結婚式も満室にしています!」って。

PDS お任せくださいって。

並木 一見関係なくても、サーバーのキャパ売りとかも得意かもしれないですよ。

PDS それは配属されたら燃えられるかな? 心配だ(笑)。

並木 とかね。ホテルを満室にするのも一緒ですよね。

PDS おっしゃるとおりです。お日にちと空き状況と宿泊費のバランスは、緻密に計算してます。

並木 そういえば友達の結婚式、深夜2時からスタートしましたよ。

PDS え? それ何ゆえに?

並木 新郎が歌舞伎町のホストクラブの経営者、新婦が現代アーティストで、歌舞伎町で働く風俗嬢やキャバ嬢やホストの友達みんなに来てほしいから。みんなその日はアフターに行かず、結婚式に行く。朝までやって、西新宿までみんなで行進して。夫婦初めての共同作業は、ふたりの友人のお尻にハート型の刺青を一緒に入れるっていう(笑)。

PDS それ誰がプランニングしたんですか? すごいですね。

並木 オーソドックスではないですね。

PDS さすがに売ったことなかったですね。深夜2時枠は。

並木 そこ埋められたら結構すごいことですね。

PDS そうですね。でもニーズはあるかもしれない。

並木 そういう仕事してる人だったら、ありですよね。家族バージョンはまた後日やりましょうって。彼らは仏滅とか関係ないだろうしな、たぶん。

PDS 関係なさそう。

並木 「金曜日だけはやめて、絶対アフターしたいから」とか(笑)。

PDS 滅多にないし面白そうだから、行ってみようかなっていうのはあるかもですね。

並木 本ちゃんと別売りでね。3割余分に払ってもらえたら深夜バージョン1回できますって。本ちゃんでは呼べない、家族には見せたくない人たちを呼んでくださいって(笑)。

PDS 誰が来るんだろう? ドキドキ。その担当、いろいろ面白そう。

並木 家族の前ではできなかった出し物とか、スライドショーも別のやつとか。

PDS 面白い。1日中幸せですね。

並木 そう。別日でもいいし。仏滅前日とかだったらすごい安いとか。どうせ明日空いてるからって。

PDS 心ゆくまでどうぞって(笑)。いきなり超強力な“顧客ずらし”のアイデア、教えていただきました。どうもありがとうございました! 最後に、とても楽しく働いているように見える並木さんにとって、働くってどういうことですか?

並木 好きな人と一緒にいることですかね。フィールドマネージメントではそれができてますね。いい乗り物に乗ってる気分です。

PDS いい乗り物? どんな?

並木 このオフィスも含めて、会社全部です。つくづくフィールドマネージメントって、いい乗り物だなあって(笑)。

表参道のちょうど真ん中あたりに位置するビルの5階にあるオフィスの窓からは、内外からの観光客で賑わう表参道のケヤキ並木と表参道ヒルズを眼下に一望できる。特に新緑の時期と年末の表参道イルミネーションの時期の夜の眺めは絶品とか。
表参道のちょうど真ん中あたりに位置するビルの5階にあるオフィスの窓からは、内外からの観光客で賑わう表参道のケヤキ並木と表参道ヒルズを眼下に一望できる。特に新緑の時期と年末の表参道イルミネーションの時期の夜の眺めは絶品とか。